社会医療法人恵風会 高岡病院
看護部長 毛利 まき
Maki Mouri
「こころに寄り添う看護」を目指して
看護部長として、看護部は主体性をもって地域社会のニーズに応える組織であり、温かで優しい、活気のある部門でありたいと考えています。高い倫理感・豊かな人間性を備えた「信頼される看護部」を目指しています。
「人生100年時代」とも言われる超少子高齢社会に入り、人口減少・現役世代の減少により社会が大きく変化していきます。様々な生活スタイルの中で、医療・介護・福祉の重要性は益々高まり、その在り方もまた変化し続けています。重症化予防を視野に入れた外来看護や、入院初期から行う退院支援など、住み慣れた環境で安心して過ごせるよう、患者さんの幸せと質の高い生活を支援できる人材を育成していきたいと考えています。
当院は西播磨地区の精神科中核病院として、地域の皆様に貢献しています。看護師は、患者さん・ご家族に最も近い存在として、一人ひとりと出会い・つながり・寄り添うことが大切です。日頃からコミュニケーションを図り、傾聴した思いを他職種と共有して、より安全・安楽・安心な看護を目指し、「この病院を選んで良かった」と思っていただけるような看護を提供していきたいと思います。
精神疾患が国の医療計画の5大疾患に指定、学習指導要綱が改定されて、2022年度から高校の保健体育の授業で約40年ぶりに統合失調症・うつ病などが取り上げられることになりました。誰もがかかり得ることや早期支援で回復の可能性が高まるといった正しい知識が広まることで、早期受診、自殺者の減少などにつながることを期待しています。
精神科では、診断の基準となるような客観的データ(画像・数値など)が乏しく、本人や周囲の人に病気や症状が理解されづらいという特徴があります。また、同じ疾患であっても、症状やそれらの受け止め方、周囲からのサポート状況など異なれば、抱えている困りごとも違ってきます。このような背景から、精神科で患者さんを理解するためには、豊富な知識と経験が必要です。また、患者さんが感じる個別の生活のしづらさに気づき、対象に合わせた病識に働きかける、周囲(家族など)にも病気に対する知識を知ってもらい、過去と現在の状態を患者・家族・スタッフで共有する関りをもつことも精神科看護の専門性の一つといえます。
看護師という職業を選択した皆さん、やりがいのある仕事を一緒に実践していきましょう。