Voice01(医局)
来年この病院で働いている。
その未来が見えたのは、7か所目の病院見学での面接中でした。
元々精神科志望だった私は、まず精神科診療に必要な身体疾患の診断能力をつけるべく内科医として勤務し、その診療の魅力に取りつかれた結果早4年が経とうとしていました。そして、そろそろ精神科研修をしないといけないと思い、病院見学を繰り返していました。
ただ、どの見学先も先生方が温かく迎えてくださる中で、今一つ決め手に欠け研修先を決めきれない自分がいました。「もう一ヶ所だけ見学に行こう。」その中で研修先を決めようと思い、出会ったのが高岡病院でした。
研修担当の中島先生、現医局長の小野先生から話を聞くなかで、これから自院をさらに良くしていきたいという強い想いを感じ、若手の先生方の熱い目線にほだされた結果、今に至っています。
研修において、多くの臨床経験をつめる、十分な教育を受けられるといった点は皆さん重視されるのではないでしょうか。そして、多くの臨床経験を積むためには主治医としての治療経験が必要であり、十分な教育を受けるためにはある程度の医師数が確保されている必要があると思います。
単科精神科病院に着任すれば、主治医として自己裁量権を持ちながら臨床経験がつめるでしょう。しかし医師数が少なければ臨床に忙殺され、自己研鑽や教育の時間が十分に持てない可能性があります。教育の最たる機関は大学病院だと思いますが、屋根瓦式のため主治医ではあっても決定権は大きくなく、臨床経験がすぐに済むことができない可能性もあります。
当院での研修は、その良いところを共に兼ね備えたものだという実感があります。常勤医は24人と十分な在籍数を誇り、初年度から主治医として臨床を行いながら、チーム制度を敷いているため定期的な指導医の指導を受けることができます。教育に関しては、精神科関連だけで20回以上に渡る系統講義、週1回のReview抄読会、持ち回りの症例検討会、そして年18回の精神科に関連した内科勉強会を行っており、十分な知識の獲得が可能です。
当直・外来も最初は陪席から開始し、慣れてきた頃に一人立ちしますが、その後も指導医の先生方が控えてくれているので、いつでも相談ができる体制になっています。身体疾患に関しても、内科担当医4人を擁する内科チームのサポート体制があります。かつ任せてしまうのではなくあくまでサポートなので、自身で身体疾患を管理する力も身に付けることができます。
私は内科認定医として勉強会で研修をサポートさせていただいていますが、この教育体制に賛同してくれた後期研修医が例年着任してくれており、ありがたいことに現在9名の後期研修医が在籍しています。
ハード面としては2018年に新棟も竣工し、院内ネット環境が整備されたため、会議の資料はデジタル化されています。またECT(Electro-convulsive therapy:電気けいれん療法)やクロザリル治療はもちろん、光トポグラフィ検査やMRI検査も施行可能です。
学会出張も年2回の補助があり、国際学会での発表の支援体制もあります。私も実際にEuropean College of Neuropsychopharmacology (ECNP)、Pacific Rim College of Psychiatrists Scientific Meeting(PRCP)での発表経験をさせていただきました。
研修に求めるものは人それぞれだと思います。そして、十分な下調べや見学をしないで研修先を決めてしまった結果、後悔することだけは避けた方がいいと思います。
是非一度、当院に見学に来てください。そして、共に中播磨、日本ひいては世界の精神医療の礎となれたら嬉しいです。