瀬戸内海沿いに車を走らせブルーラインを降りる。
海面に浮かぶ牡蠣養殖筏を横目に見ながら10分ほど山道を抜けると、ようやく今日紹介する本の舞台に辿り着くことができる。穏やかな海と山がエーゲ海を彷彿させる。

神谷美恵子著「生きがいについて」は自身が医師として研究のために赴任した愛生園での患者達とのやりとりの中で実際に得た思索の物語である。

ふと立ち止まったとき、人生の意味について考えてみたいときに手に取りたい一冊である。
光と闇が交差する現代社会、生きがいを失い路頭に迷うこともあるだろう。先人たちは我々に多くのものを残してくれている。
温故知新、普遍的な英知から学ぶことこそが新しいページをめくる一助となるのではないだろうか。

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