リワークセンター

しなやかに働く力を取り戻す。
仲間とともに、こころと身体のウォーミングアップ。

リワークプログラムとは

うつ病で休職中の方を対象に、復帰に向けたリハビリを専門に行うデイケアです。
復職したいが不安がある、どう取り組んだらいいかわからないなどの悩みを持つ方に、個別のアセスメントに基づいたきめ細やかな支援を行っています。
具体的には、集団認知行動療法によって、考えや感情を整理し、現実的に気分を切り替えていく練習をします。SSTでは、対人コミュニケーションスキルの向上、MCTでは客観的に自分を振り返るクセをつけていくことを目指します。また、自己分析を進めるなかで、セルフコントロール力を高めます。

復職への道を一歩づつ歩むために

患者さんの「復職したいが不安がある」「どう取り組めばいいかわからない」などの切実な気持ちに寄り添い、医師、臨床心理士、作業療法士、精神保健福祉士などの専門スタッフが復職プログラムを通じ、サポートします。患者さんに前進している感覚を体験していただき、自信をつけていただくことを大切にしています。

認定施設について

当院リワークは、2024年7月に一般社団法人日本うつ病リワーク協会より、質の高いリワークプログラムを提供する認定施設として承認されました(全国で16番目、兵庫県では初めての認定施設です)。

ご利用にあたって
  • うつ病や気分障害のために現在休職中の方で、3ヵ月から1年以内での復帰を目指し、一定時間集中して作業を行える程度に回復されている方を対象としています
  • 週3日程度の通所ができることが通所開始の目安です
  • ご利用前の面接には予約が必要です
  • リワークのご利用期間中は、当院への転院をおすすめしておりますが、ご希望により転院せず利用することもできます。

※まずはお気軽にリワークセンターけいふう(TEL:079-293-8855)までお問い合わせください

利用の際にかかる費用について

①利用料金は自立支援医療制度を利用すると基本的に1割負担となります。
利用前に、自立支援医療制度の手続きを行ってください。
1年以内 1年以上
医療費3割負担 ショートケア 1,260円 1,210円
デイケア 2,460円 2,320円
自立支援医療制度 ショートケア 420円 400円
デイケア 820円 770円
②自立支援医療制度を利用している場合には、収入に応じて1ヶ月の上限設定がなされています。
※詳しくは各市町村にお問い合わせください。
負担上限額
市町村民税非課税
収入80万以下
2,500円
市町村民税非課税
収入80万以上
5,000円
市町村民税(所得割)
3万3千円以下
5,000円
市町村民税(所得割)
23万5千円未満
10,000円
市町村民税(所得割)
23万5千円以上
20,000円

ご利用の流れ

  • 主治医と相談
  • リワーク見学

    予約は、お電話もしくは受付にて事前にお取りください

  • リワーク担当医による診察

    予約制ですので、事前に予約をお取りください
    他院へ通院中の方は、紹介状を持参ください
    今後も担当医による定期的な診療は必要です

  • リワーク利用判定
  • ベーシッククラス(ショートケア&デイケア)
  • アドバンスクラス
    (デイケア)
  • 復職

リワークプログラム

リワークプログラムのクラス

リワークプログラムではクラスを2つに分け、一人ひとりの回復や目的に合わせて、無理なく、ステップアップします。

ベーシッククラス

復職に向け、生活リズムの改善、基礎体力、集中力、作業能力の回復をはかります。また、休職に至った要因についてふり返り、今後取り組むべき課題、目的についてレポート作成を行います。回復の度合いに応じて、週1.5日の通所から開始し、週2日、週3日と徐々に通所日数を増やしていきます。

ベーシッククラスの週間スケジュール

9:00〜12:00
13:00〜15:00
月曜日
オフィスワーク
1・3・5週目
インドアスポーツ
2・4週目
アートプログラム
火曜日
水曜日
オフィスワーク
メタ認知トレーニング
グループミーティング
(月1回)
ヨガ・ストレッチ
木曜日
金曜日
オフィスワーク
心理教育

※オフィスワーク=読書やパソコン作業など、個別の課題に取り組む時間です

  • ベーシッククラスの課題が達成できれば
    アドバンスクラスへ移行になります

アドバンスクラス

再発予防のためにセルフコントロールや対処法を身につけることが目標です。週4日の通所から開始し、翌週には週5日の利用となり、継続していただきます。

アドバンスクラスの週間スケジュール

9:00〜12:00
13:00〜15:00
月曜日
オフィスワーク
1・3・5週目
インドアスポーツ
2・4週目
アートプログラム
火曜日
オフィスワーク
認知行動療法
水曜日
オフィスワーク
メタ認知トレーニング
グループミーティング
(月1回)
ヨガ・ストレッチ
木曜日
オフィスワーク
ソーシャルスキルトレーニング
金曜日
オフィスワーク
メンバー主体プログラム

※SST(ソーシャルスキルズトレーニング)=集団によるロールプレイなどを通じて社会適応力の向上を目指すプログラム

※認知行動療法=気持ちがつらくなったときの患者さんの考え方や受けとめ方が、どの程度現実と食い違っているかを検証し、バランスをとり、ストレスに上手に対応できるようになるためのプログラム

※メンバー主体=数人のグループで1つのテーマに取り組み、プレゼンテーションしていただきます。仲間同士で課題を決め、役割分担をし、支えあいながら目標を達成することは、復職への大きな自信につながるとともに、ご自身の課題に気づくきっかけにもなります

※メタ認知トレーニング=ストレス状況にさらされたとき、自分自身が何を感じ、考えているかをモニターする力を養うもので、ストレス管理をしやすくするものです

※グループミーティング=復職に関するテーマで話し合うことで、気持ちや体験を共有し、問題の解決方法を学ぶことを目的としたプログラム

主なプログラムの目的

決まった時間に起床し、食事や通所をするなど毎日の生活リズムを整えながら、仕事を続けるために必要な体力や集中力、作業能力の回復をはかります。

生活リズムの改善 決まった時間に起床し、食事や通所をするなど毎日の生活リズムを整えながら、仕事を続けるために必要な体力や集中力、作業能力の回復をはかります
自己理解 心理教育を通じて、病気やストレス、薬の知識などを学びます。また自分の休職要因を振り返り、課題を整理し自己理解を深めていきます。
対人交流 集団での活動を通じて人との関わり方やストレスの対処方法について考えます。またスタッフや同じ目標や悩みを持つ仲間と相談しながら、支え合っていくことができます。
セルフコントロール 適度な休息の取り方や、リラクゼーションの方法を学ぶことによって、セルフコントロールする力を高め、作業能力を維持していく練習もします。

復職後のフォローアップ

対象 リワークプログラムを終え、復職された方。
曜日 土曜日(月1回)
目的 フォローアップをしています。リワークプログラムに一緒に取り組んだ仲間同士が集まり、復職後の悩みなどを語り、支えあうことで、再休職への防止、仕事の継続につなげていきます

プログラムの利用状況・実績

開設時期 2012年7月
利用者総数 130名(男性84.6%、女性15.4%)
疾病 うつ病、不安障害、適応障害
年齢 21~57歳(平均40.5±9.2歳)
業種 技術、製造、事務、開発、教育、サービス、公務員、医療福祉など
平均利用期間 約8ヶ月
復職率 83.9%(直近3年間)
復職継続率 86.4%(直近3年間)
利用者の声 同じ悩みをもつ人々と出会え、コミュニケーションを取れるようになり、また自分が変わらないと今後も病気になるかもしれない事に気付けた。
最初は通所するのも嫌でしたが、段々と気づきや学びの場面が多くあり、良い方向に自分が変わったと思う。
心理検査や面談、職場と情報共有していただいたり、とても手厚く対応していただいた。
集団でプログラムを受けることで、自分以外の人の考え方を知ったり、自分のコミュニケーションに対する客観的な意見をもらったり、他の人のコミュニケーションを見ることができた。
休職中に家族以外の方と関われたことは、気持ちが晴れるきっかけになった。
感覚でやってうまくいかなくて、でもなぜうまくいかないのかを見直せた。自分を苦しめるクセ、変えていくといい思考、持ち続けてもいい考えや自分を知ることができた。
とにかく前向きな気持ちになれた。自分の心の整理ができた。主治医の先生とスタッフの方のサポートが大きかった。
自己理解が進んだことが一番の収穫です。
通える期間が少し足りなかった。プログラムの内容に対してはとても満足している。グループミーティングの時間が月1回では物足りなかったように思うので、希望者があれば回数が増えてもいいのかなと思う。
生活リズムを整えることができて、気持ちが徐々に前向きになり、リワークを続けられることで生活に充実感が生まれ、段階的に良くなっていることが実感できた。パソコン等の利用がもう少し自由であればと思います。